ニャンポコー2等兵は『大の父親っ子』なのです
私が小学生の時、
町のお祭りやイベント毎にカッコ良く参加していた父親を
物凄く誇りに思っていました。
その時の父親はとてもとても大きく見えました。
今もそうだと思っていました。
小学生の私が36歳までの『時代』を経てきたように
父親も『それなりの時代』を経て、老人にはなっているのですが
老けているだけで『カッコ良くて大きい』はそのままだと思っていました。
実際は少しずつ『小さく』なっていました。
存在自体は大きいままなのですが…
体が…とても…小さくなって…
大きな病を発症していました。
『手術をしなければ、余命はとても短い…』
大変でとても難しい成功率の低い手術。
今すぐにでも検査をしたいけど、その検査すら出来ないぐらいに
小さく弱った体になっていました。
ずっと地元の病院で入院して…
香川大学医学部附属病院に転院し、直ぐに重症患者の部屋に移動。
そこで検査が出来るように体力を付ける事から始った。
父親も母親も頑張って検査を受けれる所まで漕ぎ着けた。
検査内容は…最悪でした。
でも最終は手術で実際体の中身を見ないと解らないと…。
そして手術の日が決まった!
『9月5日 AM8:00開始』
私達四姉妹、母、いとこ、ふたいとこが揃って無事を祈って見送った。
手術所用時間は『12時間』との事。
昔、父は胃を2回手術で切って、1/3しかないのですが…
術名『膵頭十二指腸切除+リンパ節敦清 腹壁瘢痕ヘルニア根治術』
すい臓に腫瘍があります。胆嚢及び胆管、十二指腸、すい臓の一部を切除する手術です
切除した消化管は、小腸とすい臓、胆管、十二指腸を繋ぐ…
12時間、経ちました…
手術室に入って、お腹を開けて手に負えない様だったら直ぐに言いにくるよ。
皆が皆、言い聞かせるようにそう言葉に出して…
家族控え室には誰も入って来ません
その日は4件手術していたので、4家族いましたが
もう皆、手術が終わって控え室から出て行ってしまいました
13時間、経ちました……
誰も入って来ません
14時間、経ちました………
誰も入って来ません
15時間、経ちました…………
主治医の先生が説明に来てくれました
『思っていたよりお腹は悪い状態で手術がとても困難で時間がかかっています。』
腹膜炎も起こしていたし、小腸の癒着も酷い状態、門脈もすい臓も酷い状態だったので
摘出したり再建したり…だって…
16時間、経ちました……………
第一執刀医の先生が摘出した父親の内臓の説明に来てくれ、
説明室にて説明してくれました。
皆、話は聞くけど、内臓を見るのが怖いらしいから見ていない。
私は父をこんなに弱らせた『悪の塊』を数枚の写真に撮りました
手術は今、形成科の先生が執刀しているとの事。
17時間、経ちました………………
まだ呼ばれません
17時間30分、(夜中の1時30分)ICUにやっと呼ばれました!!!
父は手術を頑張れました
嬉しくて涙が流れました。
そして皆『よく頑張ったね』と声をかけました。
すると父の口元が少し動いて、目も少し開きました!!
術後毎日、ICUに通って日に日に少しずつ回復している父。
今日(9日)ICUから出れないけど、
私は後ろ髪を引かれながら西宮に戻らなくてはいけなくて…
部屋に戻ったら悲しく不安になって泣きながら母親に電話をすると
『ICUが一杯になって一般病棟になったよ。ICUが開いたら
戻らなくてはいけないけど、でも少しでも他のICUの患者さんに比べて
マシだから出れたから安心していいよ』と。
不安がないって言えば嘘だけど…
悲しくないって言えば嘘だけど…
私も頑張るから、とーちゃん、早く元気になって長生きしてよね
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